だから、俺の彼女になってよ。
頭ではそう分かっていても、心はその戸惑いを隠しきれていなかった。
泣きそうになるのをグッとこらえて教室に戻る。
「おー葉山サンキュ……って、どうした?」
でも、顔に出ていたんだろう。
戻ってきた私を見て、私に頼み事をしたその男子は驚いたように目を見開いた。
「…ううん、何でもない。ていうか、ごめん。私今日帰るね……!」
「え、ちょ、葉山っ!?」
とりあえず一人になりたかった。
その一心で、申し訳ないとは思いながらも私は荷物を持って教室を出た。