だから、俺の彼女になってよ。
「黒川くんが笑ってる〜!」
「えっ嘘!超レアじゃん!」
不貞腐れてる澪南に謝っていると、近くでそんな声が聞こえた。
最近よく、周りの女がそんなことを言ってるのを耳にする。
俺をなんだと思ってんだってそのたび思うけど、まぁ女の前で笑うなんてことなかったからな。
そう言われても仕方ないのかもしれない。
「まだ怒ってんの?本当冗談だったんだって。悪かったよ」
「…千歳くん、まだ顔が笑ってるもん」
「え、まじ?や…うん、悪りぃ。面白くてつい」
「もうー!」
1人の女のことでこんなに笑ったり、照れたり、焦ったり。
これが俺の自然体なんだって気付いたのは、澪南に出会ってからなんだ。