だから、俺の彼女になってよ。
「やべー、超嬉しい。サンキューな、澪!」
私の承諾に、本当に嬉しそうに笑う和。
あぁ、もう。和のバカ。
そんなに嬉しそうにしないでよ。
好きな人のその顔を、今日ほど見たくないと思ったことはない。
バカ、バカバカ。和のバカ。
そう悪態をついたところで、本人はこれっぽっちも気付いていないんだろう。
「じ、じゃあ、明日から決行ってことで……っ!それでいいでしょ?」
「おう、ありがとな」
そう言いながら、目頭が熱くなっていくのに気付いて慌てた。
早く、早く。
今すぐ、大好きなこの人から離れたい。
数十分前までもっといたいと思っていたはずなのに、今になってこんな真逆のことを思うだなんて、誰が想像できただろう。