だから、俺の彼女になってよ。



「だから。俺と香織がいると澪が離れていくから、離れないでそばにいろって……」

「それをお前が言ったわけか」

「そうだけど……。え、もしかして俺、なんかマズイこと言った?」



俺の態度に、和也は急に不安がる。



あぁ、言ったよ。お前が言うべきではない言葉をな。


今のあいつに、それは残酷すぎる。




「悪りぃ、和也。その話また明日聞くから」

「え、千歳までどこ行くんだよ!」



和也の話をもう少し聞いてやろうという気には、どうしてもなれなかった。


それよりもまずは、行かないといけない場所がある。



和也の言葉を無視して、俺はその場を離れた。





……ったく、世話の焼ける。


きっとまた1人で我慢してるんだろう。



とりあえず今は、和也よりも葉山が優先だ。



< 66 / 391 >

この作品をシェア

pagetop