だから、俺の彼女になってよ。




知ってるのは、……俺だけ。


今のこいつを支えてやれるのは、俺だけなんだ。


なら、力くらいいくらでも貸してやるよ。葉山が少しでも楽になれるなら。



……なんて、そんなことを思い始めてる自分にも驚いてはいるが。





「ごっ、ごめんね……。また迷惑かけちゃった……」


ひとしきり泣いたあと、葉山はあの日と同じようにまた謝ってきた。


優しいというかお人好しというか、やっぱりバカな女だとつくづく思う。




「誰も迷惑だなんて言ってないだろ。むしろ迷惑かけないように我慢される方が迷惑」


自分でも何を言ってんだろうとは思うけれど、頼ってほしいというのは本心。



また俺の知らない場所で、泣くことすらできずに1人でいるこいつは想像したくない。



まぁ、まともに話したこともないような俺に頼れって言われても、葉山の性格上厳しいかもしれないけど。



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