だから、俺の彼女になってよ。
「……あーあ。こんなに目腫らして。これじゃ教室に戻れねぇな」
葉山の頬に触れ、親指でそっと目元をなぞる。
一瞬びくっとしたものの、葉山は俺の手を払い避けようとはしなかった。
俺が現れるたびに「また出た」って顔してたくせに、今はおとなしい。
少しは慣れたんだろうか。そうだといいんだが。
「保健室行って保冷剤でも貰ってきてやるよ。早く戻らねぇと和也が心配するだろうし」
「っ…、うん、ありがと」
「ん」
和也の名前を出した途端、葉山はまた下を向く。
謝らなきゃとは思うけど、合わせる顔がない……ってところだろうか。