だから、俺の彼女になってよ。



和也が無自覚だったとはいえ、葉山が一方的に悪いわけじゃないと思うけど。


まぁ、優しいからな。こいつは。



仕方ない。早く和也と仲直りできるように、急いで保冷剤貰ってきてやるか。





「ありがとう、黒川くん」

「何回言うんだよ」

「だって……」


何度もお礼を言ってくる葉山。


そんなに感謝されたって、大したことやってねぇよ。ただ気まぐれってとこもあるし。



まぁ、でも。


「次なにかあったら今度こそ電話しろよ?俺2組だから、呼びに来るのでもいいけど」

「そ、それは絶対に嫌!」


今まではその気まぐれすら起きなかったわけで、こんなことに首を突っ込んでるのは葉山が初めてだし。



「だろうな。だったら電話しろ。いいか?絶対に1人で我慢するな」


俺の目の届く限り、話し相手になってやるのも悪くないな、なんて今は思う。



仕方なくといった感じで俺の言葉にようやく頷いた葉山の頭を、無意識で撫でていた。


< 83 / 391 >

この作品をシェア

pagetop