だから、俺の彼女になってよ。
「ちょっと……っ、ちょっと、和!」
何度も何度も名前を呼んで、ようやく止まったのは、階段を下りて玄関に着いたときだった。
振り返った和が、ゆっくりと私の掴んだ腕を離す。
和を見上げると、悲しそうな、不機嫌そうな、そんな顔を浮かべていた。
そんな顔をさせているのは、絶対に今日の私の態度で。
「……なんで避けるわけ」
案の定、発した和の言葉の内容は、今日のことだった。
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