だから、俺の彼女になってよ。



今はまだ玄関だ。


香織が通ればすぐにわかるはずだから、彼女はまだ帰っていない。校舎の中にいる。


なら、早く香織のところに行っておいで。




今頃、きっと悲しい思いをしているだろうから。


あんたが、香織の目の前で私を引っ張って行ったから。





ごめんね、香織。


何も心配することないんだよ。



私と和の間には、何もないんだから。





「和。私、今日は本当に用事があるの。香織まだ中にいるだろうし、2人で一緒に帰りなよ」




そして、和にも心の中で謝った。



さっき仲直りしたばかりだけれど、私はまた嘘をつく。





< 95 / 391 >

この作品をシェア

pagetop