だから、俺の彼女になってよ。
今はまだ玄関だ。
香織が通ればすぐにわかるはずだから、彼女はまだ帰っていない。校舎の中にいる。
なら、早く香織のところに行っておいで。
今頃、きっと悲しい思いをしているだろうから。
あんたが、香織の目の前で私を引っ張って行ったから。
ごめんね、香織。
何も心配することないんだよ。
私と和の間には、何もないんだから。
「和。私、今日は本当に用事があるの。香織まだ中にいるだろうし、2人で一緒に帰りなよ」
そして、和にも心の中で謝った。
さっき仲直りしたばかりだけれど、私はまた嘘をつく。