だから、俺の彼女になってよ。




「それ、嘘じゃねぇよな?」

「うん。嘘じゃない」



最近は、小さな嘘なら上手く吐けるようになった。



そんな自分に感心しながら、私は和の背中を押す。






「ほら、行っておいで?」



そう言って、私は笑顔で和を送り出す。



「……わかった。行ってくる。澪、気を付けて帰れよ?」





私にまで優しい言葉をかけて、和は再び校舎内へと戻っていった。






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