花のころ


授業が終わって、携帯の電源を入れ直す。


授業中に鳴ってしまったメール


それを、机に突っ伏す格好で読んでいた。


目の端が


こっちに歩いてくるあなたを映した。


いつも通り


すれ違う瞬間を期待して


携帯を見ながら
密かに待っていたのに



あなたは


あたしの前の席に跨るように座った。

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