花のころ

「さっき、けっこ―音デカかったな(笑)」

あたしの携帯を見ながらあなたが話す。

「俺の携帯も音同じでさ、自分かと思ってかなり焦った~(笑)」




知ってた…


知ってたよ。


わざと、同じにしたんだもん。


もしかしたら


話すきっかけになるかもしれない…


たっぷりの下心で


変えたばかりだった。


あなたが
好きだって言った歌。






「そうなの?!」

あたしは驚いたふり…


だけど余裕があるわけじゃないよ


交わす言葉や笑顔が


この状況が


嬉しくて 楽しくて
痛いくらい


目の前にいるあなたを

どんどん好きになっていくのがわかる。

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