花のころ


信じられないけど…
休み時間中、ずっと話していた。


あなたを独り占めして、ずっと笑ってた。


共通点が見つかるたびに嬉しくて


もしかしたら1人で舞い上がっていたかも。


学校に響く鐘が


こんなに憎らしい日は初めて。


彼が座っていた席の子が戻ってきて


「んじゃ」

と言いながら、跨っていた椅子からあなたが離れる。


「ん~」

あなたの顔だけはしっかり見ながら

なんでもないのを装って、あたしも返事をする。


いつもの距離に戻っていく背中を見送りながら


さっきまでの余韻に包まれる。




繰り返し 繰り返し


家に帰って、眠りにつく瞬間までずっと…


少しの時間


あたしにだけ


あなたにだけ


話しかけていた時間を


何度も繰り返してた。
.
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