花のころ

ブォ――――…



脱衣場の、大きくて綺麗な鏡に写る自分。



すぐ手に取れる場所に携帯電話を置いて、髪の毛を乾かしていた。



せっかくの空いたお風呂だったけど…



砂浜に気持ちが向かってしまっていたあたし達は、『明日も入れるから』と湯船にはサッとつかるだけで出てきてしまった。



みんな並んで髪を乾かしているだけでも、なんだか楽しい。



少し暑くなってきて、一旦ドライヤーを止めたちょうどその時、携帯が点滅して、メールの受信音が流れた。



ピンク色のライトに設定されているのは、ただ1人。

< 157 / 168 >

この作品をシェア

pagetop