花のころ
ブォ――――…
脱衣場の、大きくて綺麗な鏡に写る自分。
すぐ手に取れる場所に携帯電話を置いて、髪の毛を乾かしていた。
せっかくの空いたお風呂だったけど…
砂浜に気持ちが向かってしまっていたあたし達は、『明日も入れるから』と湯船にはサッとつかるだけで出てきてしまった。
みんな並んで髪を乾かしているだけでも、なんだか楽しい。
少し暑くなってきて、一旦ドライヤーを止めたちょうどその時、携帯が点滅して、メールの受信音が流れた。
ピンク色のライトに設定されているのは、ただ1人。