花のころ

一番上に丸い穴の開いた四角い箱。


重ねられた落書きと、柔らかくなっている角が、繰り返し使われている事を主張してる。


席替えの度に、わざわざ取り出してくる先生は、なぜかいつも誇らしげ。


黒板には、席に見立てたマスがチョークで書かれていて


学級委員が、デタラメな順番で数字を振っていく。



クラスは勝手にざわついていて


なんとも言えない


このゆるい和やかな空気が大好き。



だけど


あと5分もすれば、あたしはきっと穏やかではいられない。


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