花のころ



すいている道を自転車で走り出す。



いつも登校ラッシュの中を行くあたしには、町並みがとても静かで、なんだか眠たそうに見えた。



歩いているのは小中学生ばかり。高校生はまだ少ない。



少し早く家を出ただけで、まるで違う朝。



吸い込んだ空気が全身にすっと染み込む。



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