花のころ


ピストルの音を合図にして、一斉に飛び出す。



あっという間にトラックを周っていく選手達。



中盤を走る彼は、懸命に声をかける。



いよいよ彼がバトンエリアの位置についた。



『行け…行け…!』



声を出して応援している自分とは、別の自分から聞こえるあなただけへの応援。



大きな手がうまくバトンを受け取って



そのまま
勢いよく走り出し…










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