花のころ
「あれかなり効いたんだよね~」
「…効いた?」
「あそこまでハデに転ぶとさぁ、やる気なくなるっつ―か…周りも『あぁ~』って言うじゃん。」
「うん。」
あの時も、周りの反応はそうだった。一瞬でも、そういう反応は気持ちを下げると思う。
「うわ、やっちゃった~と思った瞬間に怒鳴られてさ、やべっとにかく走れって思った(笑)」
「怒鳴ったつもりは…」
「うん(笑)でもとにかく効いたから。ど―も。」
そう言って、歩調が早くなった。前にいる友達の所に行くんだ…
「ねぇっ…」
このままは嫌で、言葉が見つからないまま、あなたの背中を呼んだ。
振り返って、あなたがあたしを見る。
髪が少し乾いてて、風に揺れた。