花のころ


だけど、毎回あなたよりも後ろに座る。
そこは譲れない。



焼けた首の後ろに、少し短くなった髪。好きなだけ眺めていられることが、あたしの楽しみ。



今日も、友達とコソコソ話しながら、あなたの背中を眺めている。



いつから

どこが

あの時は

きっかけは…



花火の日は、あまり話せなかったせいで、友達からはしばらく質問攻めだった。



照れながらも、ひとつひとつ答えていく。



そうやって、自分自身の気持ちを言葉にしていく度に、心が整理されていった。
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