花のころ

・恋した嘘



窓の外からは、容赦ない暑さとセミの声。
こちら側では、ベコベコと下敷きで風を送る音がする。



あたしは机に頬杖をついて、黒板を睨む…
フリをして、あなたの背中を眺めてる。



今日はまだ、おはようすら言えていない。時計はもうすぐ12時。



何か話したいけど、正直話すことが見つからないでいる。



まだ知らないことだらけで、共通のものが見当たらない。





じつは中身は全然好みじゃなかったり…なんて例え話。



実際わからないけど、あなたを知りたい。
もっと近くに行きたい。

< 66 / 168 >

この作品をシェア

pagetop