花のころ

もう、一目見るだけで満足はしていたくない。



教室に着くと、友達に軽くおはようをすませてすぐ廊下に出た。



駆け足で階段を下りる。



慣れない髪型が気になって、踊場の鏡の前で一瞬足を止め、また早足。



さっきまでとは違う。



学校が明るく見えて



まだあなたの姿は見えないのに、追いかけているあたしが楽しい。


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