時間よ、止まれ。
「ああ、もちろん。」
「その時は、またここに忍び込んで、記念の花火がしたいな…。」
私は、さっき最後に二人で見た大きな花火の感動を忘れられずにいた。
だから、何となく思いついたコトを言ってみた。
優祐はうつむいて少し口を閉ざしたけど…、
すぐに私の方に向き直って、口を開けた。
「…分かった。俺にとってはもう離さない、誓いの花火だな。」
…やった!
「嬉しい!絶対だよ?」
「準備しとくから、任せとけ。」
優祐は優しい笑顔を見せてくれた。
花火大会が終わった後はとても切ない。
周辺まで混むぐらいにいたたくさんの人達は、いつの間にか帰路についていた。
空にはまだ煙がくすぶっていたけど、隠れていた星が輝きだした。