時間よ、止まれ。
私は思わず、斉藤さんをまじまじと見てしまった。
相変わらずスタイルが良くて、女でも感心する綺麗な顔立ち。
あと…
何で斉藤さんが私に用があるのか、分からなくて…。
彼女とはクラスも別で、話したことはあまりなかったから。
何か変な空気が二人の間に流れたけど…、
それを打ち破ったのは、斉藤さんの方だった。
「優祐の彼女、だったんだよね?」
大きな瞳が、くりんと動く。
「はい…」
同級生のハズなのに、私は何故か敬語で返してしまった。
「私、知らなくて。ごめんね。ここでの知り合い、優祐しかいなかったから。優祐が転校した後でその話を聞いて…」
「いや…」
もういいんだけど…。
終わったコトだし。