時間よ、止まれ。
「あ!ミツルくん♪」
華恵と、混雑するグラウンド内をウロウロ。
しばらくして、市川くんを見つけたらしい華恵が声を上げた。
市川くんも華恵と私に気付いて、笑顔でこちらに近付いてきた。
「みんなお互い卒業おめでとうだね。」
華恵は、制服のポケットからデジカメを取り出しながら、声だけは楽しそうに言った。
「3人一緒の高校で良かったよねぇ♪」
そして微笑み合う華恵と市川くんに、私は邪魔じゃないかな…と恐縮していたら。
いきなり市川くんが私の方を見た。
「ところでさ、新井、K高サッカー推薦で受かったんだって。そこに入学するって、顧問の先生が言ってた。」
「そうなんだ…」
そっか…
優祐も、しっかり歩いてるんだね。
いよいよサッカー漬けの生活が始まる…。