時間よ、止まれ。
めでたく同じM高校に入学した私達だけど、学科が違うため、学校で会うことはほとんどなかった。
今日は久しぶりに二人で放課後のカフェタイム。
高校への通学路の途中にある、おしゃれな造りの喫茶店に立ち寄った。
「…で、どうなの、『中原くん』は?」
「ああ…。」
華恵は少しニヤニヤしていたけど、私はその名前を聞いただけで、内側からどっと疲れが出たような気がした。
私は、飲みかけのカフェオレをスプーンでくるくる回しながら、少しずつ「中原くん」を思い出した。