時間よ、止まれ。
久しぶりに学校に来た帰り。
グラウンドで野球部が練習をしているのを見かけた。
あ…
中原くん。
たまたま見つけた中原くんは、一生懸命小さな白い球を追いかけていた。
一瞬だけど、自分の弱さに耐えられなくて、中原くんに甘えるところだった。
だけど、それは間違ってる。
優祐も、中原くんも、そして自分自身も傷付けるところだった。
美奈と中原くんに教えてもらったコト。
私はどんなことがあっても、強い心で優祐を信じないといけない。
心の中で中原くんにお礼を言って、私はその場を後にしようとした。
その時、不意に白いボールが私の足元に転がってきた。