時間よ、止まれ。
その時
「おーい、ヤス!」
…と、
遠くから中原くんを呼ぶ声が聞こえた。
中原くんは振り返って大きな声で返事をした後、また私に向き直った。
「俺、行くな。じゃ、明日。」
「うん、明日。」
私はおそらく、中原くんに初めての笑顔を送った。
もうすっかり秋。
目に映る夕日がとても美しく感じた。
身体を通り抜けた少し冷たい風に、身を固くした。
季節は変わってる。
優祐が隣にいなくても…。