時間よ、止まれ。
普段着ないものを着てるから、とても歩きにくい。
しかも、身体が締め付けられてて、ちょっと苦しい。
それは隣を歩く華恵も同じハズなのに、華恵は何故だか苦しさを感じさせない笑顔を見せていた。
「綺麗だね、さおり♪」
「ありがと。…華恵もね。」
私はピンクの振袖を選んだ。
小さな花が散りばめられていて、一目見た瞬間、私のお気に入りになった。
「あ…、雪。」
華恵が白くて冷たいものを指先で感じ取り、空を見上げた。