時間よ、止まれ。
「見られてた…のか。あまりさおりが行きそうにない道を通ったつもりだったけど…。」
私の涙を優しく拭った後、優祐はまた花火に火を付けた。
花火を見ながらしばらく考え事をしていた優祐は、不意に顔を上げて、私に微笑んだ。
「しょうがねぇよ。逆の立場なら、俺もそうかも。ありがとな、それでも俺を信じてくれて。」
優祐の微笑みが、また鮮やかな花火の光に照らされた。
許してもらえた…。
こんな私でも、優祐は変わらない笑顔をくれた…。
私は、自分の手で最後の涙を拭って、花火を取り出し、火を付けた。
「さおり、さっきの返事、ちゃんと聞いてない。」
「…え?」