君と私の最後の3分
チーン…

出かける前は必ず、お鈴を鳴らして挨拶をする。
もうすぐ5年間の日課だ…

「お父さん…行ってきます。」

さあ、気持ちを切り替えて早く行かなくちゃ。

ようやく家を飛びたした。


「おはよ〜いっくん!大変お待たせしましたっ…」


「まったく〜。早く行こ?」


いっくんが出してくる手のひらに、私も手のひらで握り返す。


「ってやば!遅刻寸前じゃん!ゆきの走るよ!」


「う、うん!」


こうして家の前の大きな坂を走って降りていった。
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