無邪気な姫と気だるげな騎士




「あの、人探しをしていて…」




そう言うとその人はニヤリと笑った。




「そう、ですか。でも私には関係ない話だ。」




そう言ってその人は、変形した。



正確に言えば若い女の人から魔女のような怖い顔つきの人になってしまったのだ。




「ひっ……」





逃げようと思った。でも、いつのまにか腕を掴まれていて逃げれない。




すぐ後ろは私の家の門。



そのうち誰か来てくれるはず。




「私はねぇ、アンタが大っ嫌いなんだよ!可愛い顔で親にも恵まれさらには金持ち。
ひとりやふたり彼氏いるかと思えば、純情アピールなのか知らないけど彼氏も作らない。」




それは、全部私が望んだわけじゃない。私のせいじゃないし、彼氏だって、作れる環境じゃない上に、

私はレインのことが……っ……





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