無邪気な姫と気だるげな騎士
正気に戻ったのは姫様に突き飛ばされた時だった。
……俺は何てことをしようとしたんだ。しかも姫様涙目じゃん。
好きなやつ傷つけるとか最低だな、俺。
これ以上、俺のことで傷つく姫様を見たくなくて俺は逃げた。
そして王様と女王様の部屋へ向かう。
自分から辞める気はない。
だってここ以外に俺の家無いし。
今の世の中、この門の外は怪物だらけだ。
ここで住み込みで働くために放置してる家はとっくに誰かの手によって喰われてるか壊されてるかだろう。
下手したら住まれてるかもしれない。
「王様。僕はついに姫様に手を出してしまいました。」
だから俺は今から罰を受ける。
もしかしたら死刑かもしれないし、クビかもしれない。