ラブロボ
プロローグ
「ピピピー・・・ッ」
妙に甲高い音とともに、僕は目覚めた。
頭が痺れる・・・体が上手く、動かない。
「おぉ・・気づいたか・・・。」
そう言って振り向いたのは、見知らぬ老人だった。
白髪でいっぱいの頭に、白い服・・・変な人だ。
「だれ・・?」
「わしは、寿(コトブキ)じゃ。」
低い声で、感情がまるでないみたいに言った。
気味が悪い・・・・「早く出たい」と、本能がそう叫んでいた。
「お前は何も無い空間で生み出された・・これからはわしのところで・・・」
そう言いかけた寿の隙を突き、僕は頭にかぶっていた
変な装置を力任せに取り外して、逃げ出した。
そのとき、老人の言った言葉・・・
「お前の名はジア。 人間型のロボットじゃ・・・。」
それが、どうしても頭から離れなかった・・・。