春恋 -Harukoi-
美月と難波
さくら病院・・・ここか。


「あの、難波大和さんの病室ってどこですか?」

受付の人は丁寧に教えてくれた。

301、ここね。

「おーい、やまとー・・・?」

久しぶりの再会で緊張する自分と、本当に会っていいのか心配になる自分。

でも、戻ってきてほしい。

私のところに。

「え?・・・美月?」

怪物を見たかのようなびっくりした目で見つめる。

「そんな顔で見ないでよー、ほら、クッキー持ってきたからさ」

私達が付き合っていたころ、大和が大好きだったクッキー。

味は落ちていないはず。

「おーし!じゃあいただきー!」

朝4時に起きて一生懸命つくったんだもん。

まずいって言われたらショックだしね。

「まーギリギリ合格かな」

微妙な顔でこっちを見る。

「ばーか!こっちは朝4時に起きてつくってんだよ!(笑)」

それからしばらくしてこっちの学校の様子、先生のモテ話を教えた。

「ねえ、大和・・・私、好きなんだけど」


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