春恋 -Harukoi-
そして美月はSHRが始まる数秒前に戻ってきた。

その直後チャイムが鳴る。

(セーフ、間に合ったよ)

汗をかいていた。

走ってきたのだろうか、驚いている私に苦笑いをする。

「おーい、お前ら席につけ、始めるぞ」

ミノちゃんだ。

小さくて男性なのにかわいらしい顔で

西南高校のマスコットキャラクター的存在。

連絡といっても雑談で、

上の空で聞いているのは私だけではないと思う。

それからしばらくして

SHRが終わるチャイムが鳴る。

「よーし、じゃあ5限目の準備しとけよ」

満足そうに言い、ミノちゃんが教室をでるとまた騒がしくなる。

「次はなんだっけ」

眠たそうな顔しながら聞いてくる美月。

司書の先生と話せて嬉しそうな顔もしているが。

「んーっと、古典?」

わーっという顔をして、不機嫌になる美月。

「古典は更に眠くなってくるなあ」

確かに、古典というだけで眠いのに

昼食後ということもあり、眠気が私達を襲う。
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