君の居た世界
第1章
(もう4年も通ったこの学校とも
今日でさよならだ。

この教室にいる連中とも
これから先、よっぽどの事が無い限り
会う事はもうないだろう。)







ここは東京にある私立の中高一貫校。
現在高校1年生の俺は両親の離婚で
母親についていく事になり、今日付けで転校することになった。






俺は小学校で友達がいないと言っていいほど少なかった。
と言うより、人があまり寄って来ない。


だから次こそは友達を作ろうと決心し、
中学受験をした。


が、これは俺が中学生になって母親に言われた事。





どうやら俺は怖いらしい。




感情が人より顔に出にくい
いわゆるポーカーフェイスってやつ。
らしい。



故に“無表情”。



中2になるまでは
友達ができずに凹んでいたが、
時が経つにつれて



1人が普通になり、人と会話する事が少なくなった。









だからだろう。



「えー、突然ですが、灰川は今日これから神奈川県にある高校に転校してしまいます。なので!灰川…一言何かないか?」









「今までありがとうございました。」













こんなに単調に別れの挨拶をつげるのは。


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