君の居た世界
「ーーーと言うことで、今日からこのクラスの仲間になる灰川だ。みんな仲良くしてやれよー。灰川!一言ないか?」




「これからよろしくお願いします。」





「え?それだけ?」
「なんか無表情で怖くない?」
「俺の苦手なタイプかもー」
「まー普通にかっこいいけどちょっと変人感あるねー。」



俺は口角をひくつかせ青筋をうかべつつ

(好き勝手いいやがって。お前らとよろしくするつもりなんてさらさらねーよ。)



と、思っていたら普段は崩れることのないポーカーフェイスが悪い意味で崩れてしまったお陰で周りがしんとなる。


「ま、まぁこれから半年間はこのクラスだから灰川と仲良くな!じゃー、灰川はあそこの席座ってなー。それじゃ、次は俺の授業だからそのまま続けてやるぞー。教科書の36ページ開けー。その問4の解説からーーーーー」
















淡々と午前の授業をこなし、
昼休みも1人で誰もいない屋上を満喫し、午後の授業もまた淡々とこなす。


そんなあっという間の1日だった。




正門を出て夕焼けに染まる空を1人眺める。



(そういえばここって海から近いんだっけか?1回帰ってから行ってみるか。)



帰宅後の予定を立てつつ下校路を歩く。






帰宅し、私服に着替え
自転車にまたがって海に向かう。








(夕方の海なんて見たことねーな。綺麗なんだろうな。)







海に着くと堤防前で自転車を止める。






夕焼け色に染まる海と
チェリーピンク色の空。







(海だけ別の世界みたいだ…。)















「♪〜君の温もり、君の匂い、君の表情
その全てが〜〜〜♪」




(…?誰か歌ってるのか?綺麗な歌声だな。ちょっと近くに行ってみるか…。)
















俺の人生を変える出会いまで





あと30秒。





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