君の居た世界
「ぶふっ…あはははっ!なんだ!灰川君いいキャラしてるじゃん!怖いとか聞いてたからどんな強面かと思えばただのポーカーフェイスだし!私そういう人変わってる人結構好きだよ!」



しゃがみこんで自分の膝をバシバシ叩きながら爆笑される。





(やばい、爆笑してる。とっさに出た言葉がこれってどんだけ俺コミュ症なんだよ。)



いつもの無表情で訂正を図ろうとしたが
どうやら蒼井もなかなかの変わり者で

「いや別に俺はいつもはこんなキャラじゃ……「いいよ!」



「……………は?」



「恋人を前提に友達になってもいいよ!」




怖いと言われる俺の無表情に微笑んで
恋人を前提に友達になろう宣言を
了承した。



(まじか…。いいのか…。自分で言っといてなんだが、ロマンチックの欠片もない告白まがいの友達になろう宣言でいいのか…。)


一応確認をとってこう。


「それ本気?もう俺告白まがいの事したから遠慮なくグイグイ行くと思うけど。そして普段の俺は怖いってよく言われるくらい無表情だけど。いいの?」



「うん!いいよ、どんと来い!なんとなくなんだけどね、私は灰川君の事友達の好きとかじゃなくてそれ以上の好きになりそうな気がしたの。本当にただの直感なんだけどね!」





と俺に笑いかけた。








やっぱり笑った顔は
もっと可愛かった。







(と言うか直感で俺の事好きになるって…)

俺も直感で蒼井に惹かれたようなものだったから余計にそう言われた事が嬉しかった。







何かの本で読んだ気がする。
DNAか何かが遠ければ遠いほど
お互いに直感で惹かれ合うって。



読んだ時はこんなことあるわけないって思ってた。二次元じゃあるまいし。






けど今日そんな出会いに遭遇した。








そして俺は確信した。










絶対手放せない。
好きよりもっと深いものになると。





「じゃあ…これからよろしく、蒼井。」





「うん!よろしくね!灰川君!」
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