修羅は戯れに拳を振るう

重苦しい雰囲気が漂う莉々の部屋。

と。

『いよいよ明日より開始される、カーニバルの参加権獲得選手が決定致しました』

部屋の外から声が聞こえる。

どうやらORIHAの広報車が宣伝して回っているようだった。

『参加権を獲得したのは、織葉 莉々選手、南雲 龍宇選手、松岡…』

宣伝の中には、莉々や龍宇の名前もあった。

「あれは何だ？俺の名前もあるようだが…」

龍宇が莉々の顔を見る。

「そっか、『カーニバル』の開催期間中だったわ…バタバタしていたから忘れてた」

莉々が思い出したように呟いた。