修羅は戯れに拳を振るう

俺の力は、そんなものの為に研鑽してきた訳ではないっっっ！

最早有無を言わせる間もなかった。

跳躍した修羅の、飛翔猿臂落とし（ひしょうえんぴおとし）！

頭上から両肘落としを放つ修羅に対し。

「師匠…いや修羅！」

龍宇は拳を握り締めて迎撃した！

垂直跳びからのアッパーカット！

右拳、右肘、右膝が瞬時にして修羅の体に叩き込まれる！

腰を落とし、拳を腰溜めに構えた状態から上空に向かって跳躍しつつ拳を振り上げる事で、跳躍と拳撃の速度を加算し破壊力となす究極の対空技。

「どうした修羅。不用意に飛び込んでくる相手にはこの技を食らわせるといい…そう言ってアンタが教えてくれたのがこの技だったろう」

構え直す龍宇。

「別離していた間、俺がアンタの知っている俺のままだと思ったか？」