修羅は戯れに拳を振るう
「ならば超えてみろ!」

修羅が踏み出した!

間合いを詰め、腰溜めに構えた両掌を、龍宇の腹に突き出して発勁を放つ!

虎撲烈波!

確かに豪語するだけあって凄まじい威力。

龍宇が放つ虎撲烈波よりも、破壊力は遥かに上回るだろう。

まともに打ち合えば敗北は必至。

故に。

「ぬうっ?」

修羅は両掌から伝わるその感触に、驚愕した。

手応えが、ない。

完全に虎撲烈波は直撃している。

にもかかわらず、龍宇はその威力を受け流していた。

いや、正確には吸収していた。

威力に逆らわず、柔らかく受け、体内を巡らせ、循環し。

「命を懸けて絞り込むっっっっっ!」

その威力を上乗せして、己の虎撲烈波と共に打ち放つ!

< 173 / 180 >

この作品をシェア

pagetop