修羅は戯れに拳を振るう
「何アルか、揉め事アルか?私の手が必要アルか?」

何故か嬉々とする鬼龍。

お祭り好きの血が騒いだか。

「いえ、鬼龍さんにご迷惑はかけませんから。格闘特区では日常茶飯事のストリートファイトですし」

鬼龍の加勢をやんわりと断る莉々。

確かに日常茶飯事。

ただ意外な人間が敗北したというだけだ。

それにしても、洪を倒すほどの闘士とは誰なのか。

格闘特区に新たに登録した格闘家だろうか。

莉々は考えを巡らせる。

と。

「そんな事より莉々さん」

店員は莉々に言う。

「夕方、力士相手にストリートファイトしませんでしたか?」

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