修羅は戯れに拳を振るう
その道中だった。

「あら?」

こんな夜更けだというのに、通りが随分と騒がしかった。

見れば救急車が停車しており、野次馬が集まっている。

「何かしら、ストリートファイトで怪我人でも出たのかしら」

物見高い性格なのか、莉々も覗き見る。

ちょうど、一人の男がストレッチャーで救急車に運び込まれる所だった。

運ばれているのは、頭部から流血しているプロレスラー…三沢 光秀。

そしてその傷を見て。

「あれは…!」

龍宇が何かに気付く。

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