修羅は戯れに拳を振るう
三沢ほどのプロレスラーなら、強靱な肉体を持っている。

だからこそ病院送り程度で済んだのだ。

素人に毛が生えた程度の闘士では、ダメージが頭蓋骨の内部…脳にまで達して、最悪即死の可能性すらある。

「空手でも、特に古流空手は古武術に近い…戦国時代の合戦などで、刀折れ矢尽きた際の最終手段として使う組み打ち術が源流だ。自然と殺しの技として発展する」

それは最早、格闘技…武道ですらない。

ただの人を殺す技術。

金を貰い道場で教える技でも、大きな会場で人を呼んでエンターテイメントとして見せる技でもない。

衆人に知らしめてはならないものなのだ。

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