鬼部長の素顔



「……怖い?」



怖い?
……怖くないって言ったら嘘になる


今、私の目の前にいる部長は
いつもの鬼部長ではない


『……あの』



私はもしかして……と
これから起こるであろう事を
念のために聞いてみた



『……い、今から…何を?』


ん?と言いながら
部長の指は私の鎖骨を滑らせている


思わず身体がビクッとしてしまう


「言わなかった?思い出させるって……」




言ったよ…言ったけど……
ちょっと、怖い。
まさか……と思うけど、
本当に…何かをしちゃったんじゃないか



「昨日……酔っ払ったお前を部屋まで運んでやった」


部長はゆっくり
じっくり私の目を見て話し出した
< 105 / 344 >

この作品をシェア

pagetop