鬼部長の素顔


お風呂を済ませ、ドアを開けると
とてもいい匂いがした



『わぁ……美味しそう』



キッチンに顔を出せば
腕まくりをして
鍋をゆっくりかき回している部長

こ……これも貴重な姿だ


「少し煮込むから、まだ時間かかるぞ?」


『……。私の分もあるんですか?』


「は?お前のために作ったんだよ」


そう言ってくれた
私のため……めちゃくちゃ嬉しい


『……やった』


小さく呟いていた





「……ってか、着替えたら?」


部長の言葉に私は思い出した


『……着替えたいんですが…し、下着が見当たらなくて……』


寝室にもなかった
脱衣室にはバスローブだけで来たから
結局、バスローブを着ることにした


だから……
結構、スースーするんだ
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