鬼部長の素顔
気がつけば、もう夜の8時
「……身体、大丈夫か?」
『……なんとか』
電車で帰れる時間だったけど
部長が送ると言ってくれた
とてもありがたい
だって……立つのがしんどい
腰も背中も足も、疲労困憊
「寝ててもいいぞ」
『いえ、大丈夫です』
申し訳なさそうに話す部長
それが、可愛いと思ってしまう
『送って頂き、ありがとございます』
「ん、いや。俺が悪いから」
……そうですね、って言おうか迷った
けど、それを拒まず受け入れたのは私
嫌かと聞かれたら嫌じゃない
触れてほしいとすら思ったくらい
今までと何が違うのかわからない