鬼部長の素顔
次の日、部長は飲み会と出張を控え
目まぐるしく仕事をしていた
お昼も取らず……
心配だったけど、私には何もできない
差し入れでもする?
いや、そんなことしたら
重いって思われても嫌だ……
ため息ばかり出てしまう
「柿崎っ!ちょっとこいっ!」
そんな中……また鬼の声がした
ビクッ……
あんなに優しくて甘くてエロいのに
それを一切会社では見せない
『は、はい』
ほら、案の定怒られた。
トボトボ書類を抱えて席に戻る
『麻耶先輩……鬼は健在でした』
小声で言うと麻耶先輩はクスクス笑う
「……鬼ってのは俺か?」
背後から聞こえる声に
私はひいっ!と変な声が出る
「鬼退治にでも行きたいか?」
背後が見えないけど、絶対怒ってる
頭をブンブン横に降る
「そうか、そんなに仕事がしたいか。なら、資料室行ってコレ、持ってこい」
私の肩からメモ紙がヒラっと机の上に落ちてくる
『わ、わかりました』
もーっ!部長が背後にいるならいるって言ってよっ!
私は猛ダッシュで資料室へ行った