鬼部長の素顔



「お?鬼が来たから、俺は逃げるわ」


そう言って白井さんはまた
私が持っているファイルの上に
ファイルを置いた……わあっ…


急に重たくなった反動で
バランスを崩してしまった


バサバサバサ……
痛っ……くない。


「……重い」


その言葉にハッとする
転びそうになっていた私を
檀野部長が私の下敷きになっていた


『わぁっ、ごめんなさい』


急いで部長から降りて
ファイルを拾う


「遅いと思ったら白井とイチャつくなんていい度胸だな、お前っ」


イチャつく?
いやいや、ただ話していただけだし。


『ち、違いますよっ!昨日の事を聞いていただけですっ!』


「昨日?」


昨日は麻耶先輩とご飯に行ったのを知っている部長、白井さんの名前が出た事に少し不機嫌な顔をした


「白井と会ったのか?」


『いえ……違います。』
『昨日……見ていたみたいです』


そう小声で言うと、部長も理解したのか


「はぁー……まじかよ」


っと声がした



その言葉に……私は書類を拾い
その場から逃げるように去った
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