鬼部長の素顔



「お疲れ様でしたー」
「おつかれー」


「俺、帰るわ。来週から頼むな」


部長は帰っていった
私は全ての声をシャットアウトして
仕事をしていた


「はぁー、まじかよ」

その言葉が……ショックだった
私との関係を知られたくなかった
そんな言い方だった

やっぱり……部長も一緒なんだ


「……子?……優子?」


呼ばれている事に気が付いて
顔を上げると、心配そうに見ている麻耶先輩


「何があったの?資料室から帰ってきてから変よ?……泣きそうな顔してる」



『……麻耶先輩っ。』


「よしよし。仕事、片付けて私達も飲みに行きましょうか?」


泣きそうな私の頭を撫ぜてくれた
それから麻耶先輩と会社を出たのは
1時間後だった


『麻耶先輩……すみません』


「ん?なんで優子が謝るの?私は可愛い妹を放って置くほど、冷たい姉じゃないわ」


私達は半個室がある会社から少し離れた居酒屋に来ていた
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